学習費の増加と塾の費用について
小中学生で過去最高の学習費
公立の小中学生と、私立の小中高生の授業料や修学旅行費、学校納付金、塾などにかかった「学習費」が昨年度、過去最高になったことが昨日の新聞記事に出ていました。前回調査が2018年ですが、消費税が増加した影響があるとのことです。コロナの影響で修学旅行費等は減っており、塾への出費が増えているのは間違いありません。
塾にかける費用
塾にかける費用は、小学5年生から中学2年生で、年間約30万円、月に換算すると約2万5千円になります。塾に週2回通う場合、2~3万程かかるので、大体その金額と一致します。中学校の学習のメインとなるのが英語と数学なので、週に1回ずつ塾で勉強するという考えが、一般的にも浸透しているのかもしれません。もちろん経済面や生活面で余裕があるなら、積極的に塾に行っていいと思いますが、塾に多く通うことが良いかと言えば、そうでもありません。
授業の回数が多ければいいというわけではない
塾にたくさん通っているのに効果が出ていないケースとして、子どもの余裕がなくなっている場合が考えられます。毎日のように学校と塾に行って授業を受け、宿題をするのはなかなか大変です。親が大した負荷ではないと考えていても、勉強が好きではない子どもが、半ば強制的に勉強を課せられるとしたら、結構苦しい思いをしていると思いませんか。そうして過度に勉強を課せられると、ただ勉強という作業をこなしている状態になり、学力に結びつかない可能性があるのです。学力を伸ばすためには、学力を伸ばそうとする気持ちも大切です。勉強に追われる余裕のない日々は、そういった気持ちを潰してしまう可能性があります。もちろん受験前はそうは言っていられませんが、受験前は受験前の雰囲気があり、子どもの意識も高まるので、多くの勉強に耐えられるのです。
塾の料金について
学習塾は料金が高いからといって、内容も比例して良いわけではありません。例えば大手の塾は、必ず本部のオフィスがあり、様々な費用が必要になるので、授業料を多く徴収する必要があります。その分信頼感があったり、様々な情報が得られたりするかもしれませんが、そういったものが必要ない方は余計な料金がかかっていることになります。一方で1つの教室で運営しているような小さな地域の塾は、低料金で良い授業をしているところが多く、費用対効果は大手よりもいいでしょう。問題は子どもと塾の相性で、特に小さい塾の場合、塾長の教え方や方針、教室の雰囲気が合わなければ、良い結果が出ないかもしれません。
塾の料金に関する3つの注意点
塾の料金について注意する点が3つあります。1つ目が、授業料以外にかかる費用です。授業料は安いけれども、入塾費、教材費、冷暖房費、諸経費、システム料などが計上され、結局高額になるケースがあります。2つ目は、キャンペーンに隠された料金です。無料体験、入塾費無料、1ヵ月無料などのキャンペーンはあるけれども、実際入塾すると高額であるケースです。また、無料のサービスを受けるためには8回以上授業を取る必要がある、などの条件が潜んでいることもあります。3つ目は講習費です。多くの塾が、夏休み、冬休み、春休みで講習を実施するため、追加の授業料が必要となります。塾側の視点では、この講習期間で売り上げを伸ばすことが任務なので、高額な料金を請求されることもあります。また、夏休みに合宿を行ったり、冬休みに受験対策授業が増える塾もあるため、通年授業以外の授業は結構多いのです。
塾にかかる料金は、広告やホームページだけで判断せず、必ず、①初期費用、②月々の費用、③講習や補習費用の3つを確認して、塾に合計を明示してもらいましょう。塾の勧めるまま受け入れていると、あっという間に年間50万円を超えてしまいます。
塾の選択について
このように塾を選ぶ際は、費用総額をしっかり確認して、体験授業を受けてから選びましょう。また、入塾する際、一気に沢山の授業を受講するのではなく、まず必要と思われる授業をしばらく続けてみることをおすすめします。1回の体験授業では毎週通う大変さが経験できないので、まずはそこに慣れさせるのが賢明です。とにかく沢山の授業を勧めてくる先生もいますが、現状を踏まえてしっかり相談し、優先すべき授業を選ぶようにしましょう。必要であれば授業は後から増やせばいいのです。塾にかける費用は、沢山かければいいというものではありません。子どもの勉強のために必要だと感じた場合に増やせばいいのです。週1回の通塾で大きい効果が得られる子どももいれば、塾に通う必要のない子もいます。お子様の性格や様子、その変化を見て、塾をご活用ください。