勉強に目標を持つこと

勉強に目標を持つこと

先日、野球の世界大会WBCで日本が見事優勝し、全国に感動をもたらしました。テレビ画面ごしからでも、選手たちの気持ちや気迫が伝わってきましたが、やはりそれは、世界一になるという大きな目標を持ってこの大会に臨んでいたからだと思います。大きな目標を持つということがいかに素晴らしいことで、大きなエネルギーを生み出すか、痛感させられました。そして勉強においても、目標を持つことは大きな影響を与えます。

目標が与える勉強への影響

勉強は、目標があるのとないのとでは大きく違います。一番わかりやすいのは受験生で、受験校がしっかり定まっている生徒とそうでない生徒の違いです。自分の目指す学校がしっかり定まっている生徒は、そこに向けて勉強に励み、テストで良い点数を取るために対策し、結果を反省して次に生かそうとします。強く大きい目標がある生徒は、自分の学力を常に伸ばそうとしているので、何も言われなくても、そのために積極的な行動をするのです。結局、勉強は自分との戦いで、どれだけ塾に通っても、どれだけ丁寧に教えてもらっても、自分が学力を伸ばそうと思わなければ、効果はなかなか現れません。

小さな目標から探す

勉強に関して大きな目標といえば、最終的に目指す大学になってきますが、小・中学生にそんな目標を求めることは難しいでしょう。そのため、はじめは小さな目標からでいいと思います。例えば定期テストの数学の点数を10点あげる、5教科合計400点以上にする、通知表をオール4以上にするなど、がんばれば達成できそうな目標を決めてみましょう。とりあえず軽い気持ちで決めてもいいですが、できるだけ具体的ではっきりしたものにしましょう。曖昧な目標だと、達成されたか否かがわかりにくく、目標にした意味がなくなります。小さな目標でも、達成するという経験で、何かが変わったり、大きな目標へとつながることもあります。

大きな目標を探す

小さな目標だけでは気持ちが奮い立たないこともあるので、やはり大きな目標を持つことが理想です。しかし大きな目標を持つ学生は、そう多くはないでしょう。なにげなく日々を過ごしてそれに満足していると、なかなか大きな目標は見つからないものです。大きな目標を見つけるためには、①普段から目標を探す、②様々な刺激を受ける、という2つのことを意識することが大切です。例えば目標とする志望校を探す場合、①普段から志望校を探そうと気にする。②オープンスクールなどのイベントに行ったり、友達と話して刺激を受ける。などをするといいでしょう。もちろんそれでも目標が見つけられないこともあります。自分にピタッと当てはまる目標が見つけられるかどうかは、運も絡んできます。しかし、やはり自分から探そうとすれば、見つけられる可能性も高くなるはずです。

目標は押し付けない

これは大人の方に対してのお願いですが、子どもに目標を押し付けることは控えるようにしてください。目標は自分が納得したものでないと意味がありません。しかし目標を探すために、様々な刺激を受けるための情報を与えたり、背中を押してあげることはとても良い事だと思います。「これを目標にしなさい。」と押し付けるのではなく、「こういった話があるよ。」「これ面白くない?」「ここを目指してみれば?」というような提案形式で、子どもに情報や刺激を与えて、自分自身に目標を選ばせるようにしましょう。自分で決めた目標を自分で努力して達成することに、大きな意味があります。

目標を避ける子には目標を提示する

目標は押し付けない方がいいですが、故意に目標を作ろうとしない子や、とてもマイペースで目標が作れない子もいます。そういう子を放っておくと、勉強も何もしないまま学年だけが増えていきます。毎年のように見かけるのが、受験意識の低い中学3年生です。将来の夢も目標も、行きたい高校もない、進学先はどこでもいい、という子がしばしば現れるのですが、そういった子には、現実的な目標を用意するしかないでしょう。「今の成績を考えて、〇〇高校を目指そう。」というように提示して、それが嫌だったら別の目標を言ってもらえばいいのです。

目標の負担が成長につながる

目標というのは、時に負担にもなります。高い目標のためには、当然、相応の努力をしなければなりません。そのため、無理に目標を決めないで、気ままに過ごすことが楽なのです。わざわざ負担となる目標を持ちたくない、という子どもは結構います。しかし、目標があるから努力をして、人は成長します。勉強ができなくても、勉強を通じて目標ができることで、努力し、人としての成長に繋がることでしょう。