【進路選択】公立高校と私立高校はどちらがいいか

公立高校と私立高校はどちらがいいか

中学生が進路選択を考えるとき、よく聞かれる質問が「公立高校と私立高校はどっちがいい?」ということです。正直な答えとしては、どちらの方が良いというっことはなく、自分に合った、自分の行きたい学校を選ぶことが最良の選択だということです。しかし、それを判断するための参考として、今回は公立高校と私立高校の選択について私なりの考えをお伝えします。

公立は一般的、私立は個性がある

公立高校は、授業や校則で少し違う部分はありますが、一般的な高校と言えます。一方で私立高校は、その校独自の個性を持っているところがあります。代表的なものとしては宗教が挙げられます。大阪の私立高校では、清風高校大阪、大阪女学院、東大谷高等学校などが該当し、仏教やキリスト教など、それぞれの教えに基づいた教育を行っています。こういった学校は宗派の信仰を強制するものではないですが、般若心経を唱えたり、聖書を読む時間があったりするので、興味がない人はつまらないと感じるかもしれません。また、イベントなども学校独自のものがあったり、授業の内容も違うことがあります。当塾の生徒で、体育で水泳の授業が多い私立学校に入ったため、水泳が嫌いになったという子もいました。そういうことにならないよう、私立高校は事前によく調べておきましょう。

部活動で選ぶなら私立高校

部活動に真剣に取り組みたい人は、まず私立高校を検討すると良いでしょう。私立高校は、それぞれに力を入れている部活動があり、推薦入学や特待生という制度を活用しながら強いチームを作っています。練習設備も公立高校より整っている傾向にあり、公立高校より部活動に集中できる環境が整っています。全国大会などを目指すのであれば、私立高校一択といっても過言ではありません。そこまでいかなくとも、部活動を目的として私立高校を選ぶのはありだと思います。反対に、ゆるい部活動でいいと言う方は、公立高校でも良いでしょう。

授業の質

次に授業に関してです。授業の質に関しては、結局は教員の力量次第なので、一括りにどちらが良いとは言えません。偏差値の高い私立高校では、教員採用での基準を高くしていたり、授業研究などの取り組みをしている学校もありますが、授業の質については、それほど気にする必要はないと思います。また、私立学校ではICTを活用した授業が多い傾向にありますが、だからといって授業内容が良いというわけではないので、学校を決める判断材料としては何とも言えません。私立高校で特筆すべきは、英語特化コースや専門的な学科のコースがあったり、関関同立を目指すクラス、国公立を目指すクラスなど、明確な目標を定めて、クラス編成や授業を行ってくれる学校があることです。これらのクラスが自分の進路と一致していれば、授業が大きくプラスになる可能性があるので、選ぶ価値は十分にあるでしょう。

授業の量

授業の質より考えるべきなのは、授業の量についてかもしれません。私立高校では、土曜の授業や、7時間目8時間目の授業、夏期講習や冬期講習など、公立高校より授業時間が長い傾向にあります。また、一部の学校では宿題や課題の量が非常に多く、強制的に自宅学習させられるところもあります。勉強量が増えるから良いと考える親御様もいると思いますが、これが必ずしも良いとは限りません。大学受験に関して言えば、最も重要なのは自分に必要な勉強をすることです。任意で参加できる授業ならば良いですが、自分に必要のない授業に強制参加させられたり、理解している内容の宿題が多く出されると、効率の悪い勉強になってしまう恐れがあります。絶対自分から勉強しない人であれば、強制的に勉強させられる方がいいかもしれませんが、ある程度自律して勉強できる人にとっては、逆に足枷になってしまうかもしれません。

まとめ

以上のように私立高校は、独自の文化や、力を入れている部活、特徴的なクラスやコースといったように、公立高校にはない部分があります。ピンポイントに魅力を感じた部分があるのであれば、その私立高校を選択しても良いでしょう。そうでなければ、公立高校を選択すれば良いと思います。公立高校は特徴が強くない分、進路を柔軟に考えられるはずです。また、公立高校の中でも、工業科や総合学科など特徴的な学校もあるので、そこは更に分けて考える必要があります。