【2025年】子どもにかける学習費は

2025年の子どもにかける学習費は

2024年も終わりが近づいていますが、先日、子どもの学習費についての記事を見かけました。その記事は「私立の小学生、公立私立の中学生、公立の高校生1人当たりの学習費が、2023年度、過去最高だったことが文部科学省の調査で分かった。」(FNNプライムオンラインより引用)というものでした。2024年の情報については発表されていませんが、同じかそれ以上の費用であることが推測できます。今後の学習費はどのようになっていくのでしょうか。

近年の学習費上昇について

文部科学省の調査では、年度1年間の子ども1人当たりの学校や塾などにかかった学習費は、前回の2021年度の調査では、公立の中学校で53万8799円、私立の中学校で143万6353円2023公立の中学校で54万2475円でした。しかし、2023年度では公立の中学校で54万2475円、私立の中学校で156万359円にまで上昇しています。

これらの要因として、物価上昇の影響が第一に考えられます。教育業界も例外ではなく、教材費や塾の授業料の値上げなどが目につきます。子どもの数も減少しており、学習塾も収益を考える上で、授業料の値上げが避けられない事態になっているとも言えるでしょう。総務省統計局によると、子どもの数は2024年時点で43年連続減少していると発表されていますが、それと呼応するように、一人当たりにかかる学習費は増加してくのではないでしょうか。

大阪の私立高校の無償化の影響

大阪府では2024年度より、私立高校授業料完全無償化をめざす新制度が始まり、2026年度には全学年完全無償化となります。つまり、その分の費用を、塾や予備校などの学習費に回すことができます。私立高校では、学習に力を入れている進学校も多くあるため、入学時から塾や予備校を利用しないと考えている学生もいますが、今後はそういった考えは少なくなるかもしれません。全国調査による高校生の学習費は、公立高校(全日制)で59万7752円、 私立高校(全日制)で103万283円ということですが、大阪のみの調査であれば、少し異なった結果となるかもしれません。

ICT教育の影響

近年、今までアナログで行っていた教育を、デジタル活用に変えていくというICT教育が広がっています。今やほとんどの小中学生がタブレット端末を使って学習しており、授業もデジタルを大いに活用している印象があります。こういった電子機器の利用は、公立学校では負担が増えることは殆どないと思いますが、私立学校では自費での購入が必須となることが多いため、その金額がかなり高額になることもあります。先ほど大阪の私立高校の授業料が無償になるということをお伝えしましたが、これはあくまで授業料であって、それ以外にかかる費用を考えると、やはり公立高校より出費は大きくなるでしょう。しかし一方で、塾や予備校などの教育機関では、ICT活用によって費用が抑えられているところもあります。例えばPCやタブレットを使って学習をメインとする塾は、講師の数を少なくすることができるので、人件費を減らせます。その結果、授業料も安くなるのです。

2025年以降の学習費

おそらく2025年以降も、学習費は上昇するでしょう。しかしこれは教育的なものが要因ではなく、社会全体の経済的な影響が一番大きいと考えられます。物価の上昇に合わせて学習費が上昇しているような状態なので、実質的な学習費については、これまでと大差がないとも考えられます。先述の通り、ICT教育の影響もあるとは思いますが、必ずしもICT教育が最善の選択とは限りません。まずは、学習の成果が出るものを一番に考え、そこから学習費を検討する順序に進むべきかと思います。