「おもしろい授業」と「退屈な授業」
学校や塾では、しばしば生徒たちがおもしろい授業・退屈な授業という評価をしています。全ておもしろい授業がいいと考える生徒、保護者の方は多いと思いますが、生徒のためを思うと、それが必ずしも良いとは限りません。今回は「おもしろい授業」と「退屈な授業」について、個人的な考えをお伝えします。

おもしろい授業とは
おもしろい授業には二種類あります。1つは学習内容とは関係のない面白さがある授業です。例えばアクティブラーニングや、ゲームを取り入れた授業、学習内容と関係のないおもしろい話をしてくれる授業などです。こういった授業は、学ぶこと自体にプラスとなることはほとんどないですが、授業を受けるモチベーションは高めてくれます。
もう1つは学習内容自体が面白く感じられる授業です。例えば、思考力を使う授業や、学習内容を深堀りしたり知的好奇心を刺激する授業などです。これは学ぶモチベーションを上げることに加え、学習内容にプラスを与える素晴らしい授業と言えるでしょう。これは指導者の力量もかかわってくるので、こういった授業をする指導者に出会えた人は、とても幸運だと思います。
退屈な授業とは
退屈な授業も二種類考えられます。1つは学習内容を既にわかっている授業です。先に予習済であるとか、過去に一度教わった内容であれば、授業を聞いていても退屈に感じてしまうかもしれません。また、学習内容を知らなくても、あまりに簡単な内容、薄い内容であるときも退屈に感じる場合があります。
もう1つは同じことがずっと続く授業です。ずっと先生の話を聞くだけ、ひたすら問題を解くだけ、という授業は、変化がなく退屈に感じることがあります。この二種類の退屈な授業に共通しているのが、刺激が少ないということです。子どもたちは、ただ目の前に見える道を歩いているだけでは退屈してしまうのです。
退屈な授業の重要性
おもしろい授業はとても素晴らしいと思います。では退屈な授業がダメかというと、それは違います。もう知っている・既に学習した内容をもう一度学習する、というのは退屈に感じるかもしれません。しかし1度学習しただけでは内容を忘れることもありますし、完全に理解できていないこともあります。そういったところを反復学習するというのは、とても重要な勉強なのです。小学生で、四則計算、漢字の書き取りなどを繰り返しするのは、基礎を完璧に近づけることに意味があるからです。退屈であまり意味のない授業も確かに存在すると思いますが、退屈だけど重要な授業というのも非常にたくさんあるのです。
勉強はおもしろくない
勉強は面白いか面白くないかと聞かれると、ほとんどの子が面白くないと答えるでしょう。授業を面白いと感じたら、それはラッキーです。一方で、授業が面白いと感じなかったら、それは普通なのです。勉強は面白くないけど頑張る。明日は休みだから今日は頑張る。テストで点数を上げたいから頑張る。結局、勉強は面白くないけど頑張るのです。もし、面白くないから勉強しないという考えを持っているのであれば、それは少しずれているのかもしれません。ある先生が「おもしろい授業より、退屈で意味のある授業のほうが重要だ。」と言っていましたが、それは正しい意見だと思います。
おもしろい塾、おもしろくない塾
子どもが「面白い授業だった」という塾は、基本的におすすめです。なぜなら、勉強のモチベーションを高めるという部分で、子どもにとって間違いなくプラスになるからです。ひとつだけ良くないケースが、講師が勉強と関係のない話ばかりして、それを子どもが面白いと感じている場合です。もちろん少しの雑談は良いと思います。しかし、雑談ばかりで勉強が進んでいないのであれば本末転倒です。入塾前の体験授業で、もし子どもが面白かったと言ってきた場合、詳しく話を聞いてみましょう。そこで、勉強もきちんとさせているようであれば、入塾はおすすめできます。また、逆に授業が面白くないからといって、良くない塾と決めつけることもいけません。面白くない勉強をきちんとさせる塾も、生徒にとって、間違いなくプラスになるのです。おもしろい塾はいいと思いますが、おもしろさを求めて塾を選ぶのは間違いだと思います。