中学の古文は難しくない

中学の古文は難しくない

国語は好きだけど、古文が嫌いという人はたくさんいます。私も学生時代、古文が好きではなかったため、気持ちはよくわかります。ただ、中学校で学ぶ古文は、レベルの高い事は求められません。つまり、古文で書かれている文章を、完璧に理解する必要はないのです。その証拠に、中学の古文の問題では、現代語訳がついていることが多々あります。古文は読めないからと、苦手意識を持っている生徒がいるかもしれませんが、重要なポイントを押さえて、なんとなく読める、くらいでも問題ありません。

歴史的かなづかいは必ず覚える

歴史的かなづかいを現代かなづかいに直すことは、古文の基本であり、入試でも高確率で出題されます。そのため、古文では最優先に勉強するべきことです。覚えることも少なく、勉強すればすぐにできるようになります。例えば「は→わ」と直すように、文字を見てすぐに直せるかながありますが、以下のように11個だけです。

歴史的かなづかい「は・ひ・ふ・へ・ほ・ゐ・ゑ・を・ぢ・づ・む」

現代かなづかい 「わ・い・う・え・お・い・え・お・じ・ず・ん」

歴史的かなづかいはこの他に、「u(ウ)」の音が入っているかなを直すルールがあります。例えば、「からうじて」は「かろうじて」と直しますが、これは「au(アウ)・iu(イウ)・eu(エウ)」の音を「ou(オウ)・yuu(ュウ)・you(ョウ)」に直すというルールに則っています。つまり、「うつくしう(siu)」は「うつくしゅう(syuu)」に、「れう(reu)り」は「りょう(ryou)り」に直すことになります。はじめは慣れないかもしれませんが、問題をいくつかこなせば、必ずできるようになるはずです。

今でも使う言葉はそのまま

歴史的かなづかいを直すことにおいて、注意すべきことがあります。それは、現代でも使う言葉は、直す必要がないということです。例えば、「君を」の「を」は現代でも助詞として使われており、「君お」と直さなくて良いのですし、日本一の山「ふじさん」を「うじさん」に直す必要もありません。古文と言っても日本語です。そのため、今も昔も変わらない言葉がいくつもあります。それを考慮すると、実は現代の言葉の意味から、なんとなく古文を読めることがあります。中学の古文では、それだけで問題が解けることもあるので、わかる言葉から読み解くことも一つの方法です。

よく出る単語は覚える

中学では古文単語をそれほど覚える必要はありませんが、100個ぐらいは暗記しておいたほうが良いでしょう。100個は多いと思うかもしれませんが、2000語くらい覚える必要のある英語と比べると、大したことはありません。また、現在と同じ意味の言葉は気にする必要がありませんが、反対に今と昔で意味の違う言葉には注意が必要です。例えば「いたく」は「とても」という意味で、痛いという意味は全くありません。間違った意味でとらえてしまうと、文の解釈が全く変わってしまいます。

打消しの助動詞を知っておく

古文で意味を取り違えてしまう原因として、打消し(否定)の表現を知らないことが挙げられます。例えば「馬に乗らざりけり」は「馬に乗らない」という意味ですが、「馬に乗る」と誤訳してしまうと、全く反対の意味になってしまいます。まずは、「ず・ざら・ざり・ざる・じ・まじ・で・なし」が打消しの表現であることを頭に入れ、このような表現が含まれた文をできるだけたくさん確認しておきましょう。もうひとつ、打消しの表現で使われる「ぬ」がありますが、こちらは完了の意味もあるため、判断が難しい表現です。ここでは説明を省きますが、ぜひ勉強しておいてください。

古文に力を入れなくて良い

今回紹介した内容は、ぜひ中学生に知っておいてもらいたい内容です。もちろんこれ以外にも学習した方が良い内容はありますが、中学では古文の勉強にそれほど力を入れる必要はありません。先述の通り、求められるレベルがあまり高くなく、入試などで出題される問題も多くありません。もちろん勉強するに越したことはありませんが、国語であれば、まず現代文で点数を取れるように勉強することを優先すべきでしょう。