問題文を読まない小学生は学力が伸びない
最近新しい小学生が入塾し、算数の授業を受けることになりました。先日も別の子が体験授業を受けました。2人とも、自分が算数が苦手とは思っていないようですが、これまでの結果があまりよくないという状態です。そしてその2人に共通していたのが、問題文をしっかり読んでいないということでした。こういった小学生は、正直かなり多いという印象があります。問題文を読まない子は、決して根本的な学力が伸びることはありません。仮にテストの点数が少し良くなっても、それは何かでごまかしている可能性が高いのです。

小学生が問題文を読まない理由
なぜ小学生たちが問題文をしっかり読まないかというと、読まなくても解けるからです。実際に読まなくても解ける問題はあります。例えば「□に当てはまる数を書きなさい。」という問題であれば、問題文を無視して□に入る数を考える人が多いでしょう。これは経験則です。過去に同じような問題に出くわして、問題を読まなければ良いことを知り、問題文を読まなくなったのです。これは、なるべく早く解きたいという心理も関係しているでしょう。「読まなくてもわかる」と子どもたちは言いますが、その考えは間違いなく危険をはらんでいます。
問題文を読まないことが及ぼす悪影響
もったいない間違いが増える
算数の文章問題で非常に多い間違いが、単位の付け忘れです。12人と答えるところを12と書いていたり、5cmなのに5だけ書いていたり、ほとんど正解なのにバツになってしまうのは、もったいないとしか言えません。「数字があっているからいいでしょ。」と考える子もいますが、もちろんダメです。普段から気を付けないと、テストで大きく点を失ってしまうかもしれません。
型にはめる解き方になってしまう
型にはめる解き方とは、問題をざっと見て、自分の知っている”解き型”に当てはめて解くという方法です。最もわかりやすい例が公式と呼ばれるものです。「この公式が使えそうだから適当に数を当てはめて・・・よし解けた。」というのは、その問題についてほとんど思考せずに解いていることになります。これでは、学習した型にうまくはまらなければ、問題が全く解けなくなってしまいます。そもそも問題を解くということは、自分の知っているパターンに当てはめる作業ではありません。
文章問題が苦手になる
文章問題が苦手という多くの子は、問題文をきちんと読めていません。読もうと努めていたけど読めないという子も中にはいますが、ほとんどが、しっかり読もうとしてこなかった子たちです。当たり前ですが、問題文を読まないと文章問題は解けませんし、苦手になります。それでも解ける問題があるのは、先述した通り、自分の知っている型に当てはめて解いているにすぎません。
問題文を読むポイント
以上のように、いかに問題文を読むことが大切かということを述べてきましたが、読む際のポイントを押さえておきましょう。
何を問われているかを明確に
まずは「何を問われているか」を明確にすることです。算数であれば、個数なのか、値段なのか、長さなのか、重さなのかをはっきり読み取りましょう。単位も同様です。特に速さのところで単位を間違う人が多いのですが、mかkmか、時間か分か秒かで、速さの答えも変わってきます。一方国語では「なぜですか」と理由をきかれているのか、「どういうことが起こりましたか」などと事柄をきかれているのか、はっきり把握することが最重要と言えます。
区切って整理しながら進む
例えば「256ページの本があります。そのうち4ページがもくじで残りが本文です。本文のページ数はもくじのページ数の何倍ですか。」という4年生の文章題を考えてみます。こういった少し長い文章題は、問われていることだけを考えても解けません。こういった場合は、区切って整理しながら読んでいく必要があります。はじめの「256ページの本がある。」という内容は単純ですが、できれば頭でイメージします。そして次の「4ページがもくじで残りが本文。」というところで、内容をきちんと整理できていれば、本文が何ページが求められるとわかるはずです。それに気づかないと、最後の「本文のページ数はもくじのページ数の何倍か。」という問いに答えることができません。区切って整理しながら、内容を把握していくことを練習しましょう。
問題文に不要な内容はない
問題文ははじめから最後まできちんと読み通すことが大切です。なぜなら、問題文には不要な内容は一切ないからです。問題文では、問題を回答する上で全て必要な情報を回答者に伝えており、回答者はきちんとそれを受け取らなければいけません。もし一部でも理解できない文言があれば、先生や家族などに聞いて、理解していくことが大切です。
問題文を読むための指導
塾で問題文を読むための指導をするときは、問題文に書かれている情報を子どもに聞いていきます。例えば先ほどの問題文であれば、「本は全部で何ページ?」「もくじは何ページ?」「本文は何ページ?」などを質問し、全て答えられるのであれば、きちんと読めていると考えられます。もし質問に答えられない場合は、問題文に書いてあるからもう一度読んでみて、と指示します。ここにもくじが何ページか書いてるよ、というように教えるのではなく、子ども自身に見つけさせることが大切です。これを繰り返すことで、問題文を読む力はついてきます。
文章題を読ませる指導は難しい?
問題文を読む指導は、小学生ひとりでは困難です。上記のような指導を理解している親か、塾などに依頼するしかありません。ただし塾でも、何も言わなければ上記のような指導をしてくれないところもあるので、あらかじめ「文章問題をしっかり読む指導をしてほしい」というように、伝えておいた方が賢明です。また、この指導は1回だけでなく、長期間じっくりと指導していくことが重要なので、塾によってはそういった指導が難しい場合もあります。