チャレンジテストと実力テスト

9月5日、大阪府の中学3年生対象の、チャレンジテストが実施されました。中学生は評定に直結する定期テスト以外にも、実力テストや宿題テスト、大阪府では中学生チャレンジテストというものも実施されています。学校で一番重要なテストは何かと聞かれれば、やはり定期テストと答えることになりますが、他のテストも実施しているからには意味があります。今回は定期テスト以外のテスト、特に実力系のテストについて考察していきたいと思います。

チャレンジテスト

大阪府教育委員会では、「府内における生徒の学力を把握・分析することにより、大阪の生徒の課題の改善に向けた教育施策及び教育の成果と課題を検証し、その改善を図る。加えて、テスト結果を活用し、大阪府公立高等学校入学者選抜における評定の公平性の担保に資する資料を作成し、市町村教育委員会及び学校に提供する。」ことなどを目的とし、約10年前から実施しているテストです。要するに「学校間での学力差を確認して、適切に評定を付けられるようにする」ということであり、そのために大阪府の統一テストで、学校同士の成績を比べていくことになります。例えば、学力の高い学校で評定3の生徒は、大阪府全部の学校で考えたときには評定4と付けるべきかもしれません。チャレンジテストは個々の学力を確かめると共に、大阪府全体で、成績をできるだけ公平に付けるためのテストなのです。

地域・学校による学力格差問題

チャレンジテストで問題となるのが、地域・学校による格差です。大阪府では、地域によって子供に学力差があります。北摂地域では学力が高く、大阪南部や東部は学力が低い学校が多いのです。これは、生活水準の問題もあり、北摂地域は裕福な人が多いため、教育に力を入れている家庭も多いのです。チャレンジテストは、上記のように成績を公平に付けるためのテストではありますが、逆に問題も潜んでいます。例えばチャレンジテストの成績が悪い学校は、評定5を付けられる生徒数が少ない場合があります。そうすると、他の学校では評定5が取れる成績の子でも、評定4を付けざるを得ないということが出てきます。逆も然りで、成績が悪くても頭の良い学校にいるから、それなりに良い成績が取れることもあります。これは難しい問題ですが、どの地域も、できる限り公平に成績が付けられることを期待したいと思います。

実力テスト

実力テストはこれまで学習した内容、全範囲から出題される、純粋な学力を確認するテストです。その点ではチャレンジテストと似ていると言えますが、学校独自のテストということが異なります。テストの結果については、成績に反映されることはありませんが、受験の志望校選択に関わってきます。一般的に受験校は、評定とこの実力テストの結果を元に、担任の先生と懇談で決めることになります。実力テストは成績に関係ないので、受験校を決めることに関わるのはおかしいと思うかもしれません。しかし学校側も、できる限り受験で不合格者を出したくないので、生徒に合った受験校を決める上での指標にしているのです。

テスト勉強は必要ない

チャレンジテストも実力テストも、中学で学習した内容全体から出題されるテストですが、テスト勉強をする必要はありません。というか、テスト範囲が広すぎるので、普段から勉強していなければ意味がないのです。もちろん、テスト直前は普段の勉強をより頑張る、といった気持ちがあることは良いと思います。しかし、1週間前にいくら勉強しても、中学で学習した内容の全てを網羅すことは不可能です。定期テストにも同じことが言えますが、普段からしっかり勉強しておけば、直前のテスト勉強で無理をする必要はないのです。長期的な計画を頭に入れて、勉強することが大切です。

テスト後が最も大切

これらのテストは成績には入らないため、大切なのは、むしろテストの前より後です。必ず見直しをして、どういう問題で間違えたのか、ミスなのか、忘れていたのか、全くわからなかったのか、間違えた問題に共通点はないかなど、自分ができなかったところを確認していきましょう。そして、その足りない部分を補うための勉強を、少しずつ進めるのです。これをまた次のテスト直前になって、「どうしよう、テスト勉強しないと・・・」と考えるようでは、成績は一向に上がりません。チャレンジテストや実力テスト前に、特別な勉強をする必要はありませんが、テスト後に結果を反省して、勉強への意識を高める、そこから勉強を地道にやっていく、ということが大切です。