宿題は必要か不要か

宿題は必要か不要か

学校でも塾でも出される宿題。「宿題なんてやりたくない」と思っている学生が多いとは思いますが、やはり学習にとっては基本的にプラスになるので、頑張ってこなすべきでしょう。しかし、そもそも宿題が本当に必要なのかと、疑問に思われている方もいるかもしれません。結論から言うと、必要か不要かは宿題の内容次第だと思います。当塾でも、基本的に宿題は出していますが、その生徒にとって必要だと思われる宿題のみ出すようにしています。今回は宿題について、特に、塾講師として個人的に考える必要な宿題、不要な宿題についてお伝えします。

宿題とは

そもそも宿題とは、学校や塾の授業時間以外に学習を行わせるために、教師が課す問題です。つまり授業がメインの学習で、宿題はそれを補うための学習です。最も重要な点は、宿題は授業と違って、自分ひとりの力でしなければいけないということです。授業では教師が教え、それに沿って問題を解きますが、宿題ではそれができません。言い換えると、宿題は自分ひとりでも解ける問題が出されているはずです。まれに難しい問題や、習っていない問題が宿題に出されることがありますが、この狙いは、主に問題について思考させることにあります。そのため、正しい答えを求める必要はありません。

難しすぎる宿題は不要

しかし、難しい問題や習っていない問題は基本的に不要です。宿題は生徒が一人でも解ける問題を出すことで、学習内容の定着させていくものです。難しい問題や習っていない問題は、教師が教える授業でやれば良いはずです。宿題が難しくてほとんどできないとなると、宿題としては少しずれたものになっているかもしれません。もし宿題が毎回難しい場合、学校ではクラス全体に対して宿題が出されるので、変えてもらえないかもしれませんが、個別指導塾などでは難易度を下げてもらうように相談してみてください。もちろん学力の高い人など例外もあるので、個々に合った宿題であるかが重要です。

多すぎる宿題は不要

多すぎる宿題は不要は、はっきり言って不要です。例えば問題を解いていてミスをする、勘違いをする、うろ覚えであるなど、何か不安な部分がある場合、宿題によってそれを解消する意味が生まれますが、絶対に間違わないような問題を大量にする意味はほとんどありません。そういった宿題はただの作業になってしまい、精神的にも疲弊しますし、何より時間が無駄になってしまいます。例えば、進学校と呼ばれるような一部の学校では、大量の宿題や課題が出されることがありますが、本当にその宿題が必要なのか疑問に思うこともあります。特に高校生は、志望校を受験するために必要な勉強は人によってかなり違いますし、受験まで無駄にできる時間は一切ありません。7時間授業、8時間授業をしている私立学校にも言えることですが、その宿題や授業より優先するべき勉強がある時は、時間を無駄にする可能性があります。

必要な宿題

基本的な内容、標準的なレベルの問題は宿題として必要です。すでに述べた通り、宿題は基本を定着させるためのものです。例えば、中学1年生で学習する「正の数・負の数の計算」も1回教わるだけでは、勘違いしたり、計算ミスをすることがあります。答えを導く方法を自分の中で完全に理解するためには、計算を何問も解いて慣れる必要があります。もちろん授業中に完全に理解できる場合もありますが、理解しているか確認する意味でも宿題は必要だと思います。

理想的な宿題

以上より宿題は、基本的・標準的な内容の問題で、あまり量が多くない(30分~1時間程度で終わる)ものが良いと思います。理想としては生徒に合った内容の宿題を出すことですが、これは学校や集団指導の塾では難しいでしょう。個別指導塾では個々に合わせた宿題を出すべきなので、宿題が合ってないと思う場合は、相談してみてもいいでしょう。ただし、生徒側も、きちんと宿題やるべきです。よくあるのが、宿題チェックをして、空白になっているところを生徒に問うと、あっさり解いてしまうことがあります。宿題を短時間で終わらそうと、雑にやっていたことが見え見えです。そういうことがあると、理解度が低いと考え、また同じような宿題を出されるかもしれません。宿題は、「先生が適切な内容と量を与え、生徒が丁寧にやってくる。」ことで意味のあるものとなります。