中学生の個別指導で1教科選ぶなら

中学生の個別指導で1教科選ぶなら

個別指導の学習塾では、週1回、1教科から通うことができる塾がほとんどで、そういった塾に、とりあえず週1回だけ通わせたい、と考えている方がいらっしゃると思います。しかし、受講教科をどれにすれば良いかわからない、という方も結構いらっしゃいます。一度塾と相談するのが良いと思いますが、今回はそういった方に参考になるように、おすすめの受講教科を紹介します。

成績の良くない科目を選ぶ

まずは成績の良くない科目から選ぶことが一番良いでしょう。成績が低いということは、それだけ伸びしろがあるということで、そこをきちんと勉強して伸ばすことが個別指導塾の役割でもあります。集団指導塾の場合、苦手な教科は授業に付いて行けない恐れがあるため、その点を考慮しなければいけませんが、個別指導では生徒のペースに合わせてくれるので安心です。ただし苦手科目であっても、国語、理科、社会よりは、英語か数学を受講するほうがいいでしょう。なぜなら、国語、理科、社会は単純な暗記だけでもテストの点数を上げやすく、自学習だけで成績が伸びる可能性があるためです。

国理社より英数を優先

一方で、英語と数学は理解の積み重ねが重要となります。例えば英語であれば、be動詞の文を理解できていなければ、その後のbe動詞を使う文全てに影響しますし、数学であれば、方程式が理解できなければ連立方程式はできません。他にも英語や数学は、それぞれの学習内容が多岐に繋がっているため、自分自身で勉強し直すことはなかなか難しいのです。一方で理科、社会、国語は学習範囲がある程度区切られているため、学習内容の繋がりをそれほど気にせず、自分でも勉強しやすいのです。英語と数学をメインの科目としている塾は多く、とりあえず英数を受講するように進める塾もたくさんありますが、実際この2科目は、教えてもらう事で効果的に学習できるのです。

時間がないなら数学がおすすめ

しかし時間や金銭的な都合から、「週1回通わせたいが、数学と英語どちらがいいか。」という質問を受けることもあります。生徒の状況にもよりますが、これが中学3年生であれば、私は数学を勧めることが多いです。なぜなら、数学より英語を伸ばす方が難しいからです。数学は、学習の積み重ねが重要といっても、方程式(1年)→連立方程式(2年)→2次方程式(3年)や、比例・反比例(1年)→1次関数(2年)→2次関数(3年)というように学習内容のまとまりが明確で、やり直しの学習がしやすいのです。一方で英語は文法内容が細分化されており、細かい部分を拾って理解する必要があります。加えて、英語は単語の暗記も必要なため、勉強しても成績がなかなか伸びないといったことも多々あります。受験まで時間があまりないのであれば、成績を伸ばしやすい数学を受講することをおすすめします。

時間があるなら英語がおすすめ

英語を個別指導塾で受講する場合、英語の基礎部分から学習し直した方が良いでしょう。なぜなら、英語の基礎がわかっているつもりでも、実際きちんと理解している生徒は多くないからです。これは学校の授業をまじめに受けていても起こりうることで、現在の中学1年生が学校で学習する英語は、基礎部分を一気に詰め込んで教えていることが多く、そのせいで、基礎部分が抜けている可能性があるのです。確かに基礎が抜けていても、80点以上取れたりしますが、受験や高校での英語を考えると、早めに基礎を固めておくべきなのです。そのため、時間をかけて塾でじっくりと英語を学習することは、とてもおすすめです。ただし塾によっては復習せずに、学校に合わせた授業だけする場合もあるので、やるなら1から教えてもらうように要望を伝えておきましょう。

国語の受講は目的を明確に

国語が苦手だから塾で、という考えも良いと思いますが、国語については目的を明確にする必要があります。まず、学校の成績を上げるために塾に通うのはあまりおすすめしません。学校の国語は範囲の決まった学習で、問題文は教科書から抜粋され、重要なポイントも授業で解説されます。つまりその範囲の暗記だけである程度点数が取れる、社会と似たような科目と言えます。一方で受験となると全く別で、初見の文章を読んで、解答を考える必要があります。そこで良い点数を取りたいのであれば、暗記だけではなく、文章を読み方を学び、文章を読む練習をする勉強をするべきでしょう。つまり、そういった国語力、読解力を付けるために塾で学ぶのは良いと思いますが、学校の成績のために塾に通うことはあまりおすすめしません。