【大阪府の高校】授業料無償化と学校数の減少

大阪の授業料無償化と学校数の減少

大阪府は25日の戦略本部会議で、私立高校の授業料を完全無償化する制度案をまとめました。これまでは世帯年収の上限が定められており、授業料無償の対象とならない人がいましたが、来年度から段階的に所得制限を撤廃し、2026年度にはすべての学年を対象として公立・私立ともに無償化するというものです。また一方で、大阪府立高校の3校で、生徒募集を停止することが決まりました。

高校の授業料無償化の注意点

以前にもブログに書いたことがありますが、高校の授業料が無償化することで高校進学における選択肢が増え、また不要になった授業料を塾や予備校などの学習費に充てることもできるため、とても良い制度だと思います。ただし、注意する点としては、段階的に所得制限を撤廃するという部分です。2024年度が高校3年生のみを対象とし、2025年度が高校2~3年生、2026年度に高校1~3年生へと制度が適用される見通しです。そのため、2023年時点で中学1年生以下の人は問題ありませんが、中学2・3年生は、制度が適用されない期間があるのです。また、無償化されるのは授業料であるため、入学金や制服・制定品費、教材費、その他諸経費等は実費負担となるため、授業料以外にも高校3年間で100万円程度は費用が必要となります。公立高校だとこれらの費用も安くなるので、まだ公立高校の方が少しだけ負担が少ないのです。

学校数の減少

人口が減り、子どもが減っている昨今、当然学校の数も減少していきます。大阪府が28日発表した内容によると、府立西野田工科高校を今宮工科高校に吸収し、布施工科高校と城東工科高校を統合して新たに1校新設し、実質的に府立高校を2校減らす方針だということです。生徒募集を停止する学校に行きたかった人には残念な話かもしれませんが、今年度の受験倍率は、西野田工科高校が0.61、今宮工科高校が0.96、布施工科高校が0.76、城東工科高校0.85と、どこも定員割れ状態です。公立高校の数を減らし、それで生まれたお金を、今回のような私立の授業料補填に回すという動きは理にかなっています。他にも受験倍率の低い、平野高校(0.74)、野崎高校(0.47)、かわち野高校(0.73)、懐風館高校(0.69)、福泉高校(0.54)、美原高校(0.61)などの高校が複数あり、今後も統廃合が行われることが考えられます。

真剣に考えて高校を選ぶ

このように大阪府では、生徒が集まらない高校が統合され、授業料が無償になり、昔のような学区も撤廃されたことで、さまざまな高校を選ぶことができるようになりました。しかし結局、高校進学する本人が、適当に高校を選んでいては意味がありません。1度きりの高校生活を充実したものとするため、進学先の高校は真剣に選び、そこに向かって必死に勉強して欲しいと思います。

📌当塾について  📙小学生の授業  📘中学生の授業