英語が苦手な中学生

英語が苦手な中学生

英語が苦手だという中学生は少なくありません。当塾には、英語だけ苦手だといいう中学生2年生と、反対に英語だけ得意という中学生2年生がいます。前者は、英語以外が80点以上なのに、英語だけ60点台、後者は英語以外50~60点台なのに対して、英語だけ、毎回90点以上を取ってきます。英語が得意な子に関しては、その理由がわかりませんが、英語が苦手な子に関しては、指導しているうちにその理由がわかってきました。その子は、とにかく単語や文法がおぼえられないのです。

単語がおぼえられない

当塾の英語が苦手な子は、中学1年生の1月に入塾してきましたが、thisやthatの意味が分かっていない状態でした。それからおぼえさせるために単語テストをしたり、thisやthatが含まれた文法問題を解かせたりしましたが、中学2年生になってもthisやthatの意味が曖昧な状態でした。しかし、「1週間後に50個の単語テスト(英語→日本語)をするからおぼえてきて。」と指示すると、実際の単語テストでは、8割くらい正解しているです。もちろん一度暗記した後、忘れてしまうのは当然です。しかし、学校や塾の英文で何度も目にしてきたであろう、thisやthatの意味が出てこないのは、一種の学習障害の可能性があると思います。大半の子は、thisやthatなどの基本単語は、何度も目にすることにより、自然と暗記してしまう生徒がほとんどですが、この子の場合、長期記憶として定着しにくい特性を持っているように感じました。こういう場合は量をこなすしかありません。暗記することに、他の人より努力が必要だということを受け入れ、ひたむきに頑張るしかありません。そうして粘り強く指導した結果、少しずつですが語彙力は高まっていると思います。

文法を無視して単語だけで読んでいる

英語が苦手な原因として、単語を覚えていないこと以外に、文法を無視して単語だけで読んでいることもよくあります。つまり、単語だけの意味をなんとなく繋げて、曖昧に英語の文を読んでいるのです。驚くべきことに、中学校のテストはこれでも80点以上取る人もいますが、それを続けていると徐々に成績が下がってきたり、突然英語を難しく感じたりすることがあります。そして、そのまま受験英語に進むと、長文問題が全然できないという事態に陥ります。しっかりと文法を理解した上で英文を読解することが大切ですが、テストで良い点数が取れていると、気付かないことが多いのです。良い指導者がいれば、そういった理解度の低さを見抜き、指導してくれるかもしれませんが、自分で気付いて改善することはなかなか難しいことです。

中学生までに文法学習を始めよう

このように、英語学習は「単語の暗記」と「文法の理解」が両輪です。そして、文法に関しては、品詞、be動詞や一般動詞の文など、基礎からの学習が英語の土台を作るため、はじめが最も重要といっても差し支えありません。基礎を理解していないまま進むと、また基礎に戻って勉強し直す必要があるので、できれば中学になる前か、もしくは中学1年生の開始時点から英語を塾などで学習することをおすすめします。特に近年は、学習指導要領の改訂で、中学1年生の序盤が色々詰め込まれているので、あっという間に付いて行けなくなる可能性があります。英語は基礎が肝心ですが、その基礎が重要視されていないのが、今の英語教育の問題であると思います。

数学ができる生徒は苦手を克服しやすい

英語は、論理的な考えが必要な言語です。日本語よりも文のルールが明確で、要は単語をルール通りに正しく並べて文を作るのです。一方で数学も、解法や公式を用いて、論理的に答えを導き出す科目です。つまり、英語は数学的な考えが通用するとも言えます。もちろん数学と違って、単語の暗記という努力がかなり必要になりますが、数学ができる人であれな、文法理解も得意な可能性があります。数学が得意で英語が苦手だという人は、努力次第で一気に英語ができるようになるかもしれません。英語がわからなくなったり、苦手だと感じたら、できるだけ早めに塾に行くなどして、基礎から学び直すことをおすすめします。

苦手克服には単語暗記から

英語は結局、単語の暗記が最重要です。先述のとおり、単語の意味さえ分かっていれば、なんとなくでも文を読めますし(もちろん非推奨ですが)、テストでも点数を取れます。しかし、単語の意味がわからなければ、英語には手も足も出ません。つまり、英語の点数を上げたければ、まず必死に単語を暗記することです。当塾にいた英語が苦手な生徒のように、暗記が苦手だったり、何らかの障害を持っている人もいるかもしれませんが、それでも、単語をひとつひとつおぼえる努力が、必要不可欠です。