成績ボロボロの中3の受験勉強

成績ボロボロの中3の受験勉強

夏になるとよく、「このままではまずいからなんとかしたい。」と成績ボロボロの中学3年生が相談に来ることがあります。これまでの定期テストで、5教科合計200点ぐらいであるとか、1・2年で全然勉強してこなかったとか、かなり病が進行している状態の子もいます。そういった子に対して私は、「今までなぜ勉強してこなかった。」という思いも確かにありますが、それよりも、進学に危機感を持ち、勉強への意識を高めていることにとても可能性を感じます。もちろん厳しい状況ではありますが、本当にやる気があれば、夏休みで一気に伸びる可能性があります。

夏休みからの逆転

実際に、中3の夏休みでしっかり勉強して意識を切り替え、定期テストの5教科の点数を100点あげたり、無理だと思われた高校に合格した子もいます。まさに夏休みからの逆転と言えるでしょう。彼らに共通していたのは「やる気」です。それまで勉強してこなかったというのが嘘のようにがんばり始めるのです。傾向としては、それまでクラブ活動だけに集中していた子や、今まで塾に行ったことがない子が多いような気がします。何かにがんばって取り組むエネルギーを本来持っていて、強い意志によってそのエネルギーが勉強に注がれたとき、学力がぐんぐん伸びていくのです。

成績ボロボロからの勉強法①暗記

中学1年生、2年生の成績が散々で、3年からやり直す人はどういう勉強をすればいいのでしょうか。その答えは、ズバリ「暗記」です。その中でも単純な暗記です。英語なら単語、国語は漢字、理科は用語、社会は重要語句、それらをひたすら暗記します。これは他人に教えてもらう必要もないですし、教材も学校の教科書やワークで十分です。もちろん、問題集や、暗記しやすい教材も市販されているので、それらを使っても良いでしょう。はっきり言って、中3から英語の文法をやり直すのは、かなり大変です。1年生から英語の成績が悪い人は、be動詞もわかっていないことも多く、本当に中学の最初から英語を教えてもらう必要があります。そのため、とにかく受験のために点数を伸ばす勉強をするのであれば、まずは暗記です。おぼえていれば、点数を取れる問題は山ほどあります。それらをとにかく頭に詰め込んでいくのです。

成績ボロボロからの勉強法②基本問題を解く

数学など、理解の積み重ねが必要な勉強に関しては、基本問題を徹底してやることです。数学であれば、とにかく計算問題の正解率を上げることです。難しい文章問題で点数を取るより、計算ミスをしない方が、テストの点数を取りやすいはずです。計算がしっかりできなければ、結局文章問題の計算もミスしやすいですし、とにかく基礎からしっかり固めましょう。数学の入試問題に関して言えば、計算問題と、各大問の(1)をしっかり正解するような勉強をして、確実に点数を稼ぐようにするべきです。英語は文法基礎部分の学習量が多く、正直、勉強のやり直しはかなり大変です。本気でやるなら個別指導塾で教えてもらうのが良いと思いますが、文法は捨てて単語暗記に力を注ぐのもひとつの手かもしれません。とにかく、入試レベルの問題は、冬までする必要はありません。基本問題をできるだけ沢山解いて、基礎をしっかり固めましょう。

やる気と塾で効果倍増

勉強のやる気がある子は、塾などの、充実した勉強ができる環境が用意されると、より力を発揮します。塾では、スマホやテレビにさわれないため、勉強だけに集中できますし、先生にも質問し放題です。授業はもちろんですが、塾は自習をすることに大きな価値があります。もちろん、やる気がない子は自習なんて絶対にしませんが、やる気があるとその自習で大きく力を伸ばすことができるのです。やる気のある子が塾を選ぶ場合、塾の自習環境も確認しておくといいでしょう。

やる気を出させるには

さて、「成績ボロボロの中3でも、やる気があれば逆転できる。」と述べましたが、肝心のやる気を出させるにはどうすればいい?という疑問があります。申し訳ありませんが、こればっかりは答えがありません。やる気は、その子の中の精神的な部分の変化に依存しているので、一概にどうこう言うことはできません。ただ、やる気のきっかけとして、周りが刺激を与えることは意味があるかもしれません。親が子どもに与えられる刺激としては、今の学力より少し上の志望校を提案する、テスト結果に関して話し合う、塾の面談や体験授業を受けてみる、高校の学校説明会に参加させる、受験までの残り期間を知らせて危機感を持たせる、兄弟や知り合いの経験談を話す、将来のことを話し合う、などがあると思います。その子の性格によって、どういうことがやる気のきっかけかは異なってくるので、近くにいる方が、何らかの働きかけをしてあげるといいかもしれません。ただし、親から言いすぎると子どももうんざりして、逆効果になる可能性もあるので注意しましょう。その雰囲気が感じられたは、学校や塾の先生との面談で、先生にも話をしてもらうといいかもしれません。