変わる英検と新設級について

変わる英検と新設級

先日、日本英語検定協会より、31 年ぶりに実用英語技能検定(英検)の準2級と2級の間に新たな級が導入されることが発表されました。新設級は2025年度から開始される予定で、2024年度からは、既存の1級、準1級、2級、準2級、3級の出題内容が一部変わることも決まっています。英検は、学校の入学試験の代わりに採用したり、点数保障をするケースが増え、多くの学生にとって、有益な試験と言えるでしょう。

準2級と2級の間の新設級

英検はこれまで、高校1年生で準2級、高校卒業時で2級の取得を目標としたレベル設定をしていました。つまり新設級は、高校2年生レベルの英語力が身につけられているかを確認する試験ということです。実際、5級から準2級までは、各級の合格までに要する期間がおよそ1年間ですが、準2級合格者が2級に合格するまでには約2年近くかかっているとのことです。学習者にとって高い壁になっている、準2級と2級の間に新設級を設けることで、学習者のモチベーション維持にもつなげる事が目的であると、協会側は主張しています。

準2級と2級の間の壁

確かに、3級はおよそ中学卒業レベルで、準2級は高校1年レベルなので、準2級と2級の方が難易度の差が大きいと思われます。テスト内容を見ると、もちろん長文問題や英作文の難易度も2級の方が高いのですが、何よりも使用される単語数の違いが、準2級と2級の最も大きな壁となっています。2級では、準2級よりも2000語ほど多い単語が使われます。1日10個覚えても200日かかると考えれば、準2級から2級の合格が1年以上かかってしまうのも納得できます。テスト形式準2級と2級で大差はないので、単語さえ覚えてしまえば、それ以外は意外と短期間の勉強で通用するのです。

新設級の必要性

準2級と2級が、単語以外の差が大きくないと考えると、新設級の必要性に疑問も生じます。個人的には、それほど細かい級設定は必要ないと思ってしまいます。5級、4級、3級に関しても、それぞれ中学初級、中級、上級レベルが目安とされていますが、5級、4級は学校入試等で優遇措置があるわけではないので、受ける必要性は下がってしまうからです。しかし級が多いと、協会が言うように、モチベーション維持や、英語力の確認が細かくできることは間違いありません。特に、学校入試の優遇措置においては、合格した級によっての加点調整がしやすくなります。今後、より多くの学校で英検をはじめ、外部検定の点数が受験に関わってくると思うので、時代に合った変更とも言えるかもしれません。

2024年度からの変更点

2024年度から、英検の内容も少し変わります。まず試験時間ですが、3級が50分から65分へ、準2級が75分から80分へ延長されます。また、1級、準1級、2級、準2級、3級の語彙や長文問題の数が減らされ、新たに要約問題とEメール問題が追加される予定です。これまで英検の過去問題は公式ホームページで公開されており、参考書や問題集も多数ありましたが、変更されてすぐの試験は十分な情報がないため、少し様子を見るという選択もありかもしれません。ただ、低い級であれば、ある程度の英語力があれば、問題なく解ける可能性が高いと思います。

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