家庭教師と塾
家庭教師と塾
今回は家庭教師についての考えをまとめました。私は家庭教師も塾の講師も学校の教員も経験があるので、家庭教師と塾の違い、メリットやデメリットなどをお伝えします。また、実際の家庭教師で起こったことや、内部のことなども紹介します。現在は家庭教師も塾もさまざまな企業や個人が行っているので、一概に同じとは言えませんが、ある程度参考にしていただければ幸いです。

家庭教師の体験談
私が初めての家庭教師をしたのは大学生の頃でした。他人の家で仕事をするということで、はじめは緊張した記憶があります。もちろん事前に簡単な研修を受けてから、訪問先の家が決められました。研修は家庭教師の勤務について、約1時間程度だったと思います。私は業界最大手の企業と、小規模の家庭教師斡旋企業の2社で勤務経験がありますが、どちらも指導については、先生に全て任せていました。教材の指定もないところが多く、学校の教科書やワーク、生徒が持っている問題集を使ったり、先生が持参する教材を使います。そのため指導に関しては先生の質が重要になりますが、家庭教師は採用基準が高くないため、正直その能力はピンキリです。学習塾も同じですが、大学生の先生も多いので、勤務に問題がある人もいるかもしれません。しかし、普通はどこも先生の変更ができるので、合わなければ本部に要望しましょう。尚、女性の先生は人気があったり、希望通りの先生を指定できない可能性もありますが、優先する部分は事前にしっかり伝えてください。
家庭教師の先生について
先述の通り、問題のある先生もいるとお伝えしましたが、実際にあった例を紹介します。実は私の初めての家庭教師は、前任を変更して欲しいという、ご家庭からの要望で私が請け負ったのです。その変更を希望された理由は、先生の外見でした。みすぼらしい恰好で、靴下も穴が開いているといった話を聞きました。実際私はその先生を見たわけではないので、具体的にはわかりませんが、清潔感が欠如している先生は家に上げたくない、という気持ちはわかります。そうはいっても、企業も先生を確保するのに苦労しているので、採用基準を上げることがなかなか難しいのかもしれません。また、外見は判断しやすいですが、実は教え方がすごく下手だとか、人格的に良くないといった部分はすぐに判断できないので、授業が終わった後お子様と話し合って、どういう感じだったかを確認する方がいいと思います。それに加え、授業の前後に先生と話をする機会を作り、指導状況や要望、最近の様子や成績などを伝えるなどして、先生と保護者が協力することも大切です。しかし、普通の家庭教師の先生では、要望に応えることが難しい場合もあります。企業によっては、実績のあるプロの家庭教師が所属しているところもありますが、かなり高額になることをご認識ください。
家庭教師と塾の違い
家庭教師と塾の一番の違いは、やはり場所でしょう。家で学習することのメリットとして、移動する必要がない、家にある教材が全て使える、周りを気にせず勉強できる、といった利点があります。特に、慣れ親しんだ場所なので、他の生徒を気にする必要がなく、リラックスして勉強ができることが大きいでしょう。しかしこれは、逆に言うと気持ちが入らず、勉強に集中できない可能性もあります。私も実際担当した中学2年生で、指導開始から半年ほど経ったある日、全く勉強する気がなく、何を言っても机に突っ伏したまま動かなくなった生徒もいました。その頃私もある程度信用されていたのか、保護者が不在だったのでどうしようもありませんでした。その子は以前塾に通っていましたが、嫌だからという理由で辞めてしまったようです。そして家庭教師にしたようですが、隠れていた「甘え」の部分が見えてきたようでした。家は塾より先生の立場が弱くなりますし、生徒はリラックスできる環境です。とりあえず、保護者の方は授業中必ず自宅にいるべきですし、時々様子を見に行くと良いでしょう。塾での監督者は教室の責任者ですが、家での監督者は保護者の方なのです。
オンライン家庭教師
現在ではオンライン家庭教師が増えているので、選択肢として考えても良いでしょう。しかし、塾もオンライン授業を行っているところもあるので、そうなってくると家庭教師も塾も区別がなくなってきます。一括りに、オンライン指導として考えてもいいかもしれません。オンライン指導は他人を家に入れることがないため、多少気楽に始めることができます。また、オンライン指導に関しては場所を問わないので、多くのサービスを比較することができます。内容や金額を吟味して選ぶようにしましょう。もちろんオンラインならではの不自由な点もあるので、まずはオンライン指導から始めて、必要であれば家庭教師の訪問、あるいは塾へ通うといった方向へ発展させてもいいでしょう。